有終の美の前に準備

私が行っていた営業は自社のサービスに対するスポンサーを募集するものであった。

電話やメッセージにてアポを取り、面会したら自社サービスを紹介し、協力してくれることが決まり次第契約書にサインしてもらうことで契約してもらうというものが一連の流れであった。

その日のクライアントは契約に対する見込みが非常に高かった。というのも私が勤めていた企業と付き合いが長い会社からの紹介で尚且つ何社か類似した会社に出資している企業であったからである。

その会社のアポが取れたのが昼頃であったため、私は朝出社してからすぐに営業の準備をした。
営業に必要なものは

①プレゼンテーション用のPower Point
②プレゼンテーションの詳細が記してある資料
③契約書

の3つであった。
そのうちの②、③は訪問する会社の名前に変換して印刷しなければいけないため、それらを印刷した後にクライアントの下へ向かった。

そして、クライアントの下へ到着し、会議室にてプレゼンテーションの準備に取り掛かった。
早速用意した資料をクライアントへ配ろうと鞄から資料を取り出した。
するとプレゼンテーション用の資料に書いてあった名前が別の会社の名前となっていた。
しかもその企業が不運にも以前訪れたクライアントのライバル会社だったのだ。

私は焦ったが他企業の名前が記載されていない資料のみをクライアントに提示し、プレゼンテーションを行うことでなんとかその場を乗り切った。

そして無事にプレゼンテーションを終え、クライアントからもスポンサーへの承諾を得たため、契約書を出そうとした。
すると契約書かれていた名前もなんとクライアントのライバル企業のだったのだ。

結果的その日は契約書を忘れたということで謝罪をし、後日アポを取り直して無事に契約に至った。

今回の事例では無事に契約まで辿り着けたが、いくら見込みが高い余裕のあるクライアントであったとしても油断をしていると契約獲得できない可能性も出てくる。
もし営業に出るときはどのような案件であっても準備は念入りに行ってほしい。