本当に辛かった精密機器の法人営業
自分は、現在「運送業界でトラックドライバー」をしています。一人の空間で日中いられるので、とても気楽な仕事で気に入っています。トラックに積んである荷物を下ろしたり、運んだりしなければならないため、体力が資本になってきますが、それさえクリアできていたら、こんな楽な仕事はないだろうなと思っています。
そう思うのも、前職だった「法人営業」がとても辛かったからです。法人営業の仕事内容は、府内をエリアとし、法人を相手に精密機器の営業を行っていました。
法人営業と一言で言っても大きく分けて、既存で自社製品を利用されているお客様先へ最新機種の入れ替え提案するスタッフと、他社を利用している先へ自社への入れ替え提案をする飛び込み営業のスタッフと2つありました。自分は、後者の「飛び込み営業のスタッフ」をしていました。自分が法人営業として働いていた頃は、精密機器業界は飽和状態でした。精密機械だけでは食べていくことができませんし、薄利多売なため、同業者同士のシェア争いがとても激しかったです。
業界のシェア争いが激しいだけなら良いのですが、会社自体にノルマが定められており、そのノルマをクリアできなければ、上司から罵倒されました。怒られたくないがために、会社仲間同士でも仕事の奪い合いになっていました。
飛び込み営業の難しさは、売り込む気持ちが強すぎるとすぐに相手に気持ちを見抜かれ、冷たい対応をされてしまいます。自分は、ノルマクリアのためにも必死なので、どうしても売り込む気持ちが前に出てしまっており、なかなか成績が上がりませんでした。毎日夜遅くまで働きますが、いくら頑張っても成績が上がりませんし、上司に怒られ、気持ち的にも精神的にもやられてしまいました。
そこから会社を休むようになったのですが、上司から電話で「上司の俺が働いているのに休むなんて気楽だな」や会社の同僚から「仕事休むんなら俺に〇〇の受注ふってくれない?」など、休んでいるのに仕事のことを言われ、「もう耐えられない」と思い、電話で上司に辞めることを伝えました。すると、「今の若いやつは根性がない、怒られるとすぐ辞める」などと嫌味を言われましたが、辞めるのを引き止めることはありませんでした。
電話を切った瞬間、今までの肩に乗っていたものがなくなり、心が晴れやかな気持ちになりました。法人営業の苦労があったので、少々のしんどい作業でも苦に思わなくなりました。それが良かったのか、悪かったのかと思いますが、自分が営業していた時の辛い体験でした。